
はじめに:合格よりも大切な「自分を信じる力」
全国手話統一試験を目指すとき、多くの人がぶつかるのは「知識の壁」ではなく、心の揺れです。
「私なんてまだ無理かも」
「周りの人がどんどん上達していく」
「本番で手が止まったらどうしよう」
そんな不安に押しつぶされそうなときこそ、アドラーの言葉が支えになります。
以下の7つの言葉を、試験までの“心の伴走者”として受け取ってください。
①「すべての悩みは、対人関係の悩みである」
受験中に湧く焦りや劣等感の多くは、「他人と比べる」ことで生まれます。
アドラーは「他者と競うのではなく、自分と比べなさい」と言いました。
→ 他の受験者の上手さは「刺激」であって「脅威」ではありません。
昨日の自分より一歩でも前に進めば、それで合格です。
②「課題の分離をせよ」
「通訳の評価が悪かったらどうしよう」「講師にどう思われるか不安」
それは“他者の課題”です。
あなたができるのは、「今の自分の力を最大限に発揮すること」だけ。
他人の反応をコントロールしようとするほど、心は苦しくなります。
→ 「評価は相手の課題。努力は私の課題」と切り分けてみましょう。
③「人はいつでも変われる」
「去年は落ちたから、今年もダメかも」――それは“過去”に縛られた思考です。
アドラーは、過去の原因ではなく「今の目的」を重視しました。
→ 「合格したい」よりも「手話で伝える力を磨きたい」という目的を思い出す。
過去は“教材”であって、“足かせ”ではありません。
④「劣等感は悪ではない」
手話通訳の学びの中で、「自分はまだまだ」と感じる瞬間が必ずあります。
しかし、アドラーは言います――
「劣等感とは、成長のサインだ」と。
→ 劣等感を“エンジン”に変えよう。
できない自分を責めるより、「伸びしろがある」と笑ってみる。
⑤「他者を仲間と見よ」
試験会場では、みんながライバルに見えるかもしれません。
でも本当は、「手話で人をつなぎたい」と願う仲間たち。
→ 「競う」より「支え合う」。
一緒に成長できる仲間がいることこそ、学びの最大のギフトです。
⑥「勇気とは、困難を受け入れる力である」
練習で手が止まる。講評で厳しい言葉をもらう。
そんなとき、落ち込むのは自然なことです。
でも、アドラーは「勇気とは、困難を受け入れて進むこと」だと教えます。
→ 不安も緊張も「挑戦している証」。
勇気は“恐れがない状態”ではなく、“恐れながらも前に進む力”です。
⑦「幸せとは、他者への貢献感である」
この試験は、単なる資格取得ではありません。
あなたが合格することは、誰かのコミュニケーションを支える力になるということ。
→ 「合格=ゴール」ではなく、「誰かのために通訳できる自分になる」ことを目的に。
それこそが、アドラーのいう“幸せ”の形です。
おわりに:「合格」は“勇気”の副産物
全国手話統一試験は、知識や技術だけでなく、心の成熟も見られる試験です。
焦らなくていい。落ち込んでもいい。
それでもあきらめずに向き合うあなたは、すでに勇気を持って歩いています。
どうか、アドラーの言葉を心のポケットに忍ばせて。
合格発表の日、あなたが笑顔で手を振る姿を、私は信じています。
アドラーとは ― 「勇気の心理学」で人を自由にする思想家
アルフレッド・アドラー(Alfred Adler, 1870–1937)は、オーストリア出身の精神科医であり心理学者です。
かつてフロイトやユングと並び「心理学の三大巨匠」と呼ばれました。
しかしアドラーが歩んだ道は、他の2人とは少し異なります。
彼の心理学は、人間を“過去の原因”ではなく、“未来への目的”で理解しようとした点で、きわめて革新的でした。
アドラーは幼少期から病弱で、同年代の子どもたちに劣等感を抱いて育ちました。
けれどもその経験こそが、彼の理論の出発点になります。
「人は劣等感を持つからこそ、向上しようとする」――。
この考えは、のちに“個人心理学(Individual Psychology)”として体系化され、世界中で支持を集めました。
アドラー心理学の中心にあるのは、「勇気づけ(Encouragement)」という考え方です。
人はだれしも弱さや不安を抱えていますが、それを責めるのではなく、「できること」「進める一歩」に焦点を当てる。
相手を励ますことも、自分自身を励ますことも、同じ「勇気づけ」なのです。
また、アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」とも語りました。
つまり、私たちが感じる不安・怒り・嫉妬などは、他者との関係性の中で生まれるもの。
だからこそ、他者を敵ではなく“仲間”と見なし、協力し合うことが、心の健康に直結するのです。
さらに、アドラーは“課題の分離”という概念を示しました。
それは、「自分ができること」と「他人の領域」をきちんと分けること。
他人を思い通りにしようとせず、自分の責任だけに集中すれば、心はずっと軽くなります。
このようにアドラー心理学は、単なる理論ではなく「生き方の実践哲学」です。
「人はいつでも変われる」
「過去に縛られず、今ここから始められる」
――そのメッセージは、試験勉強に取り組む人、通訳技術を磨く人、そして日々奮闘するすべての人に通じます。
全国手話統一試験を目指すあなたが、プレッシャーや劣等感に押しつぶされそうになったとき。
アドラーの言葉を思い出してください。
「勇気とは、困難を受け入れる力である。」
その一歩が、あなたを次のステージへ導くはずです。
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