
先日、JBpressで「広告代理店に頼らず成功した東京デフリンピック」という記事を読みました。
私は手話通訳者として、今回の大会に派遣され、現場の空気を肌で感じてきました。守秘義務に反しない範囲で、あの日々を通じて私が感じたこと、そしてこの大会が残した大きな意味について、言葉にしておきたいと思います。
「障害」を超えた、かつてない高揚感
大会期間中、デフリンピックスクエア(交流拠点)に集まった聞こえない人たちの顔は、一様に高揚感に満ち溢れていました。
世界各国から集まった選手たちの躍動する姿。
それは、かつて「障害」という言葉の陰に隠れがちだった光景とは、明らかに一線を画すものでした。もしかしたら、私たちはもう二度と見ることができないほど、奇跡的な瞬間を目の当たりにしていたのかもしれません。
この大会は、単なるスポーツの祭典ではありませんでした。
言葉や国境を超えて「みんなでひとつになる」。そんな強い想いが、会場のあちこちから伝わってきたのです。
街を変え、認識を変えたラッピング
大会の前後、街の風景は確実に変わりました。
あらゆる場所でデフのアスリートたちを見かけるようになり、東京の山手線がデフリンピックのラッピング車両で埋め尽くされている光景には、胸が熱くなりました。
今回の成功は、多くの成果をもたらしたと感じています。
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世界の聴覚障害者たちが感じた強い一体感。
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「デフスポーツ」という言葉の圧倒的な知名度向上。
こうした土壌ができたことで、今後は企業が選手のパートナーとして手を挙げてくれる機会も増えるでしょう。まさに、未来への大きな一歩となりました。
支えた人たちが手にした「一生モノのスキル」
もう一つ、忘れてはならないのが大会運営を支えたボランティアの方々の存在です。
慣れない環境やコミュニケーションの壁に戸惑いながらも、必死にサポートする彼らの姿を近くで見てきました。この大会を通じて彼らが身につけたスキルや、多様な人々と通じ合おうとした経験は、極めて貴重なものです。
ここで得たものは、今後あらゆる社会の場面で活かされていくはずです。
「こうやればできる」という新しい見本
JBpressの記事にもあった通り、今回の大会運営は非常に画期的でした。
東京都スポーツ文化事業団デフリンピック準備運営本部の尽力により、予算内に収めつつ、観客動員数は予想を大きく上回る結果となりました。
毎年開催される「国スポ(国民スポーツ大会)」の予算以下でこれだけのクオリティを実現したことは、「やり方次第で、大規模な国際大会はここまで成功させられるのだ」という素晴らしい見本になったのではないでしょうか。
最後に
手話通訳者として、この歴史的な大会を肌で感じることができたのは、私にとってこの上ない幸せでした。
「みんながひとつになった」あの熱狂を一時的なものにせず、これからもデフスポーツ、そして誰もが自分らしく輝ける社会への流れを止めないように。私も私にできることで、寄り添い続けていきたいと思います。
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