多くの手話教材を揃えるだけで満足してしまう「教材貧乏」な状態から脱却し、手持ちの教材を最大限に活用する方法を提案します。
資格試験は「わかる」でなく「できる」がゴール
こんにちは、あらかわいおりです。
手話を学習している皆さん、資格試験や検定を目標にしている人も多いと思います。
合格というゴールに向けて、さまざまな教材や機材を準備している人もいるでしょう。
それは素晴らしいことです。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。
「教材を揃えたから大丈夫」と、妙な安心感を抱いていませんか?
残念ながら、教材を準備しただけで手話は上達しません。
なぜなら、手話の上達や試験突破に本当に重要なのは、「わかる」ことではなく、「できる」ことだからです。
「答えられる」「読み取れる」「手話表現できる」。
これらすべてが「できる」に含まれます。
つまり、ただ覚えるのではなく、実際に**「やってみる」こと**が何よりも大切なのです。
「わかる」と「できる」の大きな違い
たとえば、電話番号をメモする場面を想像してみましょう。
数字を見てすぐに書こうとすると、途中でわからなくなり、何度も見返してしまう経験は誰にでもありますよね。
ところが、その数字を声に出して覚えてから書くとどうでしょうか? ほとんど見返さなくても、スラスラとメモできるはずです。
これはなぜかというと、「見る」「聞く」といった受動的な記憶方法は、覚えにくく忘れやすいからです。
一方、「声に出す」「真似をする」といった運動を伴う記憶方法は、覚えやすく忘れにくいという大きなメリットがあります。
手話も同じです。目で見て、「わかった」つもりになるだけでは、なかなか身につきません。実際に手を動かして、「できる」ようになることが不可欠なのです。
あなたに必要な「たった一つのもの」
「勉強しなきゃ」と思っているあなたに、本当に必要なものは参考書ではありません。
必要なのは、「練習のやり方」と「教材」、そして何よりも毎日コツコツと続ける根気です。
合格という月に到達しようとするロケットに例えてみましょう。
私は、合格という月へ向かう「ロケットの方向を整える」ことや「着火剤」を用意することができます。
しかし、ロケットを飛ばすためには、燃料が必要です。
この燃料について、多くの人が誤解しています。
一時的な「よし、やるぞ!」という興奮や盛り上がった気持ちを燃料にしてしまうと、最初は勢いよく進むものの、途中でガス欠になってしまいます。
合格という月に到達できるのは、コツコツと、淡々と、そして飽きることなく継続する燃料を持った人です。
どれだけ頑張ったか、ではなく、どれだけ淡々と継続したかを大切にしてください。
「どれだけできるようになったか」を唯一の目標に
手話通訳士試験や手話検定などの「勉強のやり方」に関する本や教材は、残念ながらほとんどありません。Googleで検索してみても、私の記事ばかりが出てくるのが現状です。
だからこそ、誰かに教わったか、どんな教材を持っているか、いくらお金を使ったか、といったことではなく、「どれだけできるようになったか」を唯一の目的にしましょう。
最もわかりやすい目安は、これまで使ってきた教材が、どれくらいこなせるようになったかです。
「最初に比べて読み取りがスムーズになった」「手話表現が自然になった」「以前は思いつかなかった表現ができるようになった」など。
これこそが、あなたに身についた証拠です。
「頑張った時間」を誇るのではなく、「できるようになったこと」を誇りに、日々の学習を進めていきましょう。