手話通訳士を目指す皆さん、こんにちは。
いよいよ手話通訳士試験の実技試験が近づいてきましたね。
この時期になると、焦りから「一気に勉強して実力をつけよう!」と意気込んでいる方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。
実技試験対策は、息切れする短距離走では合格をつかめません。
合格の鍵は、日々の努力をつなぎ合わせるマラソン学習にあります。
一夜漬けが通用しない理由
手話通訳士試験の実技は、一夜漬けでどうにかなるほど甘くはありません。
読み取り、聞き取り、それぞれ2問ずつ、合計4問を制限時間内にこなすだけでも大変なのに、本番の緊張感が加わると、普段の実力も発揮しづらくなります。
多くの受験者が陥りがちなのが、最初につまずいてしまい、その後集中力を欠いて終わってしまうパターンです。
これを避けるには、あらゆる意味で戦略的な学習が不可欠です。
「わたしのことは私が一番わかっている」は危険?
昨年不合格だった経験がある方は、特に注意が必要です。
「去年の敗因はわかっている。今年は大丈夫」と思っていませんか?
もし、去年の勉強法や考え方が変わっていなければ、今年も同じ結果になってしまうかもしれません。
のです。
息切れする「長時間の勉強」より効果的な「分散学習」
実技試験まで残り1か月だからと、毎日5時間勉強しようと計画している方もいるかもしれません。
しかし、私はこのやり方をおすすめしません。
なぜなら、人間はそこまで長時間集中力が持続しないからです。
長時間の勉強は「たくさんやった」という満足感は得られるかもしれませんが、それが本当に実力アップにつながっているか、冷静に検証する必要があります。
私がおすすめするのは、忙しい毎日の**隙間時間をつなぎ合わせる「分散学習」**です。
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早朝に30分
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昼休みに30分
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夜に1時間
このように細切れに勉強時間を確保することで、合計2時間の学習時間を作ることができます。
分散学習の最大のメリットは、**「振り返りの習慣」**が身につくことです。
たとえば、朝に読み取りの練習をしたら、昼に再開するときは「朝はどこが難しかったかな?」「どこでつまずいたかな?」と自然に振り返るでしょう。
この「行きつ戻りつ」する行為が、読み取り技術の定着につながります。
一方、数時間まとめて勉強していると、つい振り返りを怠りがちです。
時間帯を味方につける学習法
さらに効果を高めるなら、時間帯によって学習内容を変えてみましょう。
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朝:新しいことを覚えるのに適していると言われています。新しい教材に手をつけるなら朝がおすすめです。
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夜:復習や記憶の定着に適しています。日中に学んだ内容を夜に復習することで、知識がよりしっかりと身につきます。
本番を想定した最終調整
実技試験が近づき、仕上げの段階に入ったら、ぜひ本番を想定した練習を取り入れてみてください。
聞き取り2問、読み取り2問を、続けてやってみましょう。
内容の違う(数字が多いもの、感情的なものなど)問題を組み合わせるのも効果的です。
試験本番では、聞き取りと読み取りが交互に出題されることもあります。
この練習で、最低でも4問連続でこなせる脳のスタミナを養っておきましょう。
筆記試験の結果を気にして立ち止まるのはもったいないことです。
たとえ筆記の合格発表前でも、実技対策は少しでも早く始めることをおすすめします。
マラソンのように、日々の努力を着実につなげていけば、ゴールテープを切る日は必ずやってきます。
最後まで諦めずに、自分を信じて走り続けてください。心から応援しています。