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「科学的根拠に基づく最高の勉強法」
安川康介著
黒羽保朗読
4時間56分
「科学的根拠に基づく最高の勉強法」は、
勉強の効率を最大限に引き出すための科学的根拠に基づくテクニックを紹介しています。
この本は、勉強に対する新しい視点を提供し、
既存の方法に変革をもたらす可能性を秘めています。
Amazonオーディブルの朗読で聴いたこの本について述べます。
このオーディオブックを手話学習者に聴いてほしい理由
- 今まで当たり前と思ってやってきた勉強法を見直すきっかけにしてほしい。
- 手話を表す、手話を読み取る、それらに勉強法を応用してほしい。
- やった感で満足せず、効果的であるかを考えてほしい。
自分なりに、
「すごく勉強した」
「こんやはみっちりと勉強した」
と、費やした時間とエネルギーに満足して、
そのプロセスが効果的だったか考えない。
私だけでなく、多くの人がそのような勉強を積み重ねて、
満足してきたのではないでしょうか。
本書に、
「不思議なことに今の義務教育では、
勉強すべき内容は教わりますが、
どうしたら科学的根拠に基づく
効果の高い勉強ができるのか」という、
勉強法そのものについては、
あまり教えてくれないのです」
とあります。
たしかに、
内容は教わったけれど、
勉強法は教えてもらえなかったな。
そんな記憶があります。
大人になって手話の勉強を始めて、
講師や先輩に指導を受けたとき、
勉強法を教わったことがある人はどれだけいるでしょうか。
勉強法を身につけた後で手話の勉強を始める。
とても当たり前のことだと思いませんか?
私たちもあきらめる必要はありません。
この「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を、
オーディオブックで聴いて、
効果的な勉強法を実践しましょう。
一般的な学習法を手話に応用するすべを、
考えてみましょう。
根拠が多く、納得できる
著者である安川康介氏はアメリカの医師です。
日本の医大を卒業後、アメリカの医師免許を取得した時の経験や、
その後学んだ数々の「科学的に根拠のある効果の高い勉強法」について紹介する本です。
「これが絶対いいよ」ではなく、
「よろしかったら試してください」という言い方で書かれています。
重苦しくない文章が、朗読者の声の雰囲気とあっている印象です。
安川康介氏のアプローチは非常に実践的です。
彼は単に理論を述べるのではなく、
科学的な研究結果を基に具体的な方法を提示しています。
例えば、時間管理の方法としてポモドーロ・テクニックを推奨しています。
この方法は25分の集中作業と5分の休憩を繰り返すもので、
集中力を維持するのに効果的です。
また、記憶の定着には復習が重要であることを強調しています。
エビングハウスの忘却曲線に基づき、最適な復習タイミングを提案しているため、
効率的に知識を定着させることができます。
さらに、アクティブラーニングの重要性を強調しており、
自分で考え、応用することで理解を深める方法を紹介しています。
この本のもう一つの強みは、環境づくりの重要性に触れている点です。
勉強に適した環境を整えることで、集中力が高まり、効率が向上します。
静かで整理されたスペースは、効果的な学習に欠かせない要素です。
総じて、「科学的根拠に基づく最高の勉強法」は、学生だけでなく、
社会人や終身教育を考えるすべての人にとって有益な内容です。
実際に使える具体的なテクニックが多く紹介されており、誰でも実践しやすいのが特徴です。
科学的効果の対比
本書はまず、
科学的に効果の低い勉強法を紹介しています。
「みんな、思い当たるフシがあるんじゃないの?」
というメッセージでしょうか。
次に科学的に効果の高い勉強法が紹介されます。
取り入れやすい方法ばかりです。
実際にやってみて、結果を見ないとわからいことですが、
それでも従来の勉強法よりは効果があることは、
容易に想像できます。
私自身、資格試験に取り組んだ際に、
インプットよりもアウトプット重視に切り替えて、
良い結果を出した経験があり、
これらはそのステップアップ版だと思うからです。
アクティブリコール
学ぶために決定的に重要なのが、
「アクティブリコール」なのだそうです。
「勉強したことや覚えたいことを、
能動的に思い出すこと、記憶から引き出すこと」
です。
何かを記憶するためには、
それを積極的に思い出す作業や、
脳みそから頑張って取り出す作業こそが、
決定的に重要だといいます。
インプットよりもアウトプットが重要だという記事を、
以前書いたものをリンクしておきます。
https://arakawaiori.com/sign-language-translation4/
ノートに書く、音読する、シャドーイングする。
どれもアウトプットですが、
本書ではさらに「思い出してアウトプットしてみよう」
と言っています。
脳から取り出す作業を繰り返すことで、
しっかりと記憶に定着するのですね。
手話の学習に応用
手話通訳士試験の筆記試験を想定してみます。
- まず必要な情報をメモ書きしていく。
- それをノートに整理していき、自分の覚えやすいように
ジャンルに分ける。 - それを、なるべくノートを見ないで思い出す。
口に出す。 - 3を繰り返すことによって記憶に定着していく。
歴史は年代ごとの順番も覚えなくてはならないので、
それを記憶しやすいようにストーリーを作ってみてはいかがでしょう。
実技にも応用できる。
手話単語などを覚えるときに、
目で見るだけでなく手を動かして覚える(アウトプット)
手話の動画も、見るだけでなくシャドーイングする。
さらに、見ていないときに思い出して手を(口を)動かす。
それらによって、さらに手話が覚えやすくなります。
積極的に脳から引き出すのですね。
ちょっと不安に思ったこと
手話学習に応用するとき、
不安に思ったことがあります。
手話を表すとき、口形というものは、
必要な単語に付けるのです。
個人差はありますが、
聞こえない方の手話を見てください。
最初から最後まで、
「てにおは」まで口形を付けている方はいません。
「てにおは」まで付けると、
手話の語順に変えられないというデメリットがあります。
手話を覚えるときに口形を付ける、
または音声を付けて覚えている方がいらっしゃれば、
「手話と口形(音声)を紐づけして覚えている」
ということです。
紐づけして覚えたことを、
口形や音声なしでは手話を表せないのでは、
今後に支障が出てきます。
「ずっと声が出ている手話通訳者」
「てにおは、ですます、がぜんぶ口形に付く手話通訳者」
になってしまいます。
聞こえない方の手話動画のシャドーイングなどを通して、
そんな癖がついていないか、
セルフチェックしましょう。
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