
試験直前!改めて考える「努力と結果」の哲学
手話学習者の皆さん、こんにちは!
全国手話統一試験が目前に迫ってきましたね。この時期は、テキストや問題集を前に、焦りや不安を感じている方も多いかもしれません。
まず、この大切な時期だからこそ、立ち止まって一つ、考えてみませんか。それは「努力と結果」の関係についてです。
私たちは何かを学ぶとき、どうしても「結果」―特に、試験の「合格」という目に見える成果―を目標にしてしまいがちです。もちろん、目標を持つことは素晴らしいことです。合格という明確なゴールは、日々の学習に規律と方向性を与えてくれます。
しかし、手話という言語習得、そしてコミュニケーション技術の獲得という長い旅路において、「結果は結果でしかない」という視点を持つことが重要だと、私は考えます。
手話の上達を測るものとは?
皆さんの手話の上達は、本当に統一試験の「合格」という一文字だけで測れるものなのでしょうか?
私は、決してそうではないと断言します。
私たちが目指すべき手話の「結果」とは、試験の点数そのものではなく、
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「あなたの手話はわかりやすい」
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「通じる手話だ」
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「素晴らしい通訳技術だ」
と、実際のコミュニケーションの場で相手に言ってもらえる技術を習得することにほかなりません。
手話学習は、合格を目指して努力している「過程」そのものが、皆さんの「上達」につながっているのです。試験対策を通して得た知識や技術、そして何よりも、目標に向かってひたむきに努力したという自己肯定感こそが、本当の財産です。
だからこそ、この試験対策という「ノウハウ」を学びながらも、手話本来の目的、すなわち「通じる手話」の習得を、常に忘れないようにしたいものです。
理想は、「通じる手話」という本質的な技術を身につけることと、試験で評価されるための対策を知っておくことを両立させることです。そして、試験は、その本質的な技術がどこまで身についているかを測る、一つのベンチマークとして捉えましょう。
試験合格を引き寄せる「自己評価」と「他者評価」の戦略
さて、試験まで残りわずか。この限られた時間の中で、合格という結果を引き寄せるために、最も必要なものは何でしょうか。
それは、「他者評価」と「自己評価」を効果的に活用することです。
やみくもに練習量を増やすだけでは、効率が悪いだけでなく、疲弊してしまいます。効果的に成長を加速させるためには、自分の現状を正確に把握し、練習の質を高めることが不可欠です。
他者評価:客観的な視点で「通じているか」を確かめる
手話は、相手に伝わって初めて価値を持つ言語です。自分では完璧にやっているつもりでも、他者から見ると「指文字が雑だ」「表情が硬い」「空間の使い方が分かりにくい」といった、自分では気づきにくい欠点があるものです。
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練習会や勉強会でのフィードバック:
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手話サークルや通訳養成講座などで、ろう者や指導者から積極的にフィードバックをもらいましょう。特に、「通じなかった表現」や「誤解を生んだ表現」を具体的に指摘してもらうことが重要です。
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模擬試験の活用:
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模擬試験は、単に点数を出すためだけでなく、「試験という緊張した状況下で、どれだけ技術を発揮できるか」を試す最高の機会です。採点結果や評価コメントは、自分の弱点を客観的に補強するための貴重なヒントの宝庫です。
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自己評価:自分の成長を実感し、練習の方向性を定める
他者からの評価を受けたら、次はそれを「自己評価」で落とし込みます。
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映像によるチェック(自撮り):
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自分の手話をスマートフォンなどで録画し、「他者評価の視点」、つまり採点者や受け手の視点になって見直してみましょう。
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表情・口形: 意図と合致しているか、固まっていないか。
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空間: 自然で一貫性のある場所を使えているか。
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通訳時の目線: 読み取りと表現の切り替えはスムーズか。
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この自己評価こそが、やみくもな練習から脱却し、自分の足りないところを補う練習へと質を高める鍵となります。
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短所克服と長所進展の黄金バランス
他者評価と自己評価によって、自分の「短所」(足りないところ)が明確になったと思います。もちろん、そこを補う練習は非常に重要です。しかし、短所克服ばかりに注力していると、どうでしょう?
「また間違えた」「ここはいつもできない」…と、気分が落ち込み、モチベーションが低下しがちです。
試験対策期間であっても、私たちは人間です。前向きな気持ちで取り組むことが、最も効率よく実力を伸ばします。
ここで大切なのが、「長所進展(ちょうしょしんてん)」の視点を取り入れることです。
💡 長所進展のすすめ
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自分の「得意なこと」を把握する:
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「私は数字の表現が正確だ」「表情豊かに表現できる」「文章の要約は得意だ」など、自分の手話の良い部分、褒められた部分を意識的に見つけましょう。
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長所を「さらに磨く」練習を混ぜる:
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例えば、「表情豊か」が長所なら、その表情を「通訳技術」と融合させる練習をします。
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「この文章の"驚き"を、さらに効果的に表現するにはどうすればいいか?」
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「この"強い主張"を、表情と動きの連動でどう伝えられるか?」
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自分の強みをさらに伸ばす練習を意識的に行うことで、練習全体にポジティブなエネルギーが生まれ、「自分はできる」という自信につながります。
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この自信こそが、試験会場での緊張感を乗り越える最大の武器となるのです。
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短所克服と長所進展をバランスよく混ぜながら練習を進めるのが、試験直前期のメンタルヘルスを保ちつつ、実力を最大限に引き出すための黄金のコツです。
最後に:胸を張って「やれるだけやった」と言おう
試験まであとわずか。皆さんが今までに積み重ねてきた努力は、決して裏切りません。
合格という結果は、運や当日の体調にも左右されることがあります。しかし、合格を目指して努力したという事実と、その過程で身につけた「通じる手話」の技術は、誰にも奪えない皆さんの財産です。
試験当日は、どうか自信を持って臨んでください。そして、試験が終わったとき、悔いのない気持ちで「やれるだけやった」と自分自身に言ってあげましょう。
この経験は、皆さんの手話人生の、確かな糧になります。
心から応援しています!最後まで頑張りましょう!
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